正体は解っている!背中のチャックはどこだ!【トイプー櫻第3話】
フードの食べムラが激しい櫻。
朝はフードを食べずにわんわん保育園に来る日もあり、最近はおおやサンちでお食事をすることも多い。
朝ごはんを食べなくても至って元気。
まずはくうと追いかけっこ遊び。
走る!跳ぶ!お水飲む!走る!跳ぶ!
くうが力尽きるか、櫻が飽きるまでかけっこは続く。
ふと立ち止まる櫻。
今日は朝ごはんを食べていないらしい。
そして櫻はおいしいものの在り処を知っている。
お腹がすいたのかな・・・?
そう思ったその時!!!
スクッ。
後ろ足で立ち上がったではないか!!!
2本足で立ったまま、美味しいものがあるあたりをじーっと見つめる櫻。
あまりの驚きに、時の流れがしばし止まる。
その堂々たる後ろ姿は、まるで人間そのもの。
2本足で立つことで人気を博したレッサーパンダも顔負けの安定感だ。
ぐらつき感ゼロ。
・・・とその時!!!
スタスタスタスタ・・・。
歩いたーーーー!?
なんと、そのままの体勢でスタスタと歩いたのだ!!
人間のように2本足で、だ。
美味しいもののところまで歩いていった櫻は
「これ食べる。」
そう言っているようだ。
言葉こそ話さないが、ヤツは人間だ!
私はそう思った。
おやつをちらつかせると、目を輝かせながらキチンとオスワリ。
しっぽをフリフリしている様子はワンコそのものだ。
ドッグフードもあげてみると、モリモリとよく食べる。
やっぱり犬・・・なのか・・・?
よく遊び、よく食べた後はウトウトお昼寝。
チャンスだ。
今のうちに確かめておかなければならない。
そう、背中にチャックがあるはずだ。
チャックを開けるときっと小さいオッサンが入っているんだ!!
くうはさしずめギャルといったところか。
ニンゲンがいない時は着ぐるみを脱いで羽を伸ばしているに違いない。
櫻が朝ごはんを食べないのは、きっと夜中に冷蔵庫のビールとツマミをそっと拝借しているせいだ。
しかし、敵もさるもの。
スパイダーマンのコスチュームのように体にピッタリとフィットしているのか、縫い目もチャックも見当たらない。
最新技術か・・・。
今回はしっぽを掴むことができなかった。
この疑惑を解明するべく、今後も調査を行う。